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躯が高揚する感覚

  7.05.2012   admin   Calligraphy, Discovery, 随想

カラダが高揚する感覚を忘れちゃだめだ。 何枚書いても納得する線が書けず、数日間に渡って一人苦悩の制作現場に居た。 今日は朝から快晴で、外は初夏のように暑い。 日のあたらないアトリエの鍵を開け、新しい紙を引っ張り出してくる。 いつもは音楽をがんがんにかけるところだけど 今日は、静寂がいい。 うーん。 何枚書いても、リズムに乗らない。線にキレがない。 ふとっちょの食いしん坊が食い散らかしたサツマイモみたいな線ばかり。 ふと筆をもう一本足してみた。 二本の筆を持ち、もう一度深呼吸。 わ。 いい線が書けた。 この調子。 新しい紙を切ろう。 まっさらな一枚を敷く。 筆が走り出した。 線が踊りだした。 このリズム。 この高揚感。 体が熱い。 額から汗が垂れて来た。 このまま、このまま。 もう数行。 やった、書ききった。 自分の納得がいく線が書けるまで諦めちゃだめだ。 たったひとつの違いで全てが変わる。 たったひとつの線で全てが生き生きする。 いい作品は、どこを切り取ってもバランスがいい。 一気に、今日という日がいい日になった。